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「星のや京都」で、忘れていた深呼吸を

星のや京都」に訪れて、気づきました。最近、呼吸が浅かったことに。感動的な呼吸体験(?)ならぬ、とってもとっても素晴らしい宿泊施設だったので、体験記をお伝えさせてください。まず京都・嵐山の人通りの多いメインストリートを抜けると、見えてくる建物は「星のや京都舟待合」。滋味深い入り番茶で喉を潤して、ここでチェックイン。お土産ものを物色して待つこと数分。案内された先には、渡し船が来ていました。

宿にはこの船に乗って、川を進み10分ほどで到着します
宿にはこの船に乗って、川を進み10分ほどで到着します

ゆったりと揺られながら、川のほとりの広がる緑や、トロッコが林間を進んでいく風景に、初っ端からすっかり癒やされました。もはや、ぼけーっと揺られて放心状態。対岸には、近衛文麿の別邸ともいわれ、築100年以上の「松籟庵」という豆腐懐石のお店なども。

保津川下りの皆さんとも、すれ違います
保津川下りの皆さんとも、すれ違います

心地よく過ごしていると、あっという間に「星のや京都」に到着いたしました。船着き場で待ってくださっていたスタッフの方とともに、敷地内へと足を踏み入れます。見どころはたっぷりとあるのですが、ここからは、「(個人的に)最高だったな~」というポイントをご紹介させてください。

こちらが「星のや京都」の入り口
こちらが「星のや京都」の入り口

いつもと違う「音」

山に囲まれている雄大な土地、とはいえ観光地らしい喧騒からすっかり抜けたこちらは、本当に人の声がしない。その分、自然の音色がむっちゃくちゃクリアに聞こえます。全室リバービューという部屋の窓を開けると、すぐほとりを流れる大堰川(=保津川なのですが、区画によって名前が変わります)がざばざば気持ちよく流れる音が飛び込んでくる。泊まった日の天気は雨だったのですが、降り続く粒が葉っぱにあたって弾ける音すら、よく聞こえます。

あまりにも雄大な自然……
あまりにも雄大な自然……

一番感動したのは夜でした。ここ「星のや京都」では数々のアクティビティも用意されていまして、その中に「水辺の夜坐」というストレッチのプログラムがあります。本来であれば、「奥の庭」という区画に蚊帳を設置して行う予定だったのですが、雨を避けて屋内で行うことに。「Salon & Bar 蔵」という天井の高いバー空間の家具をはけて、開催されました。ぐーっと身体を伸ばした最後、瞑想の時間があるのですが、本当にこのひとときが印象的! 大小さまざまな雨音に包まれて、粒のひとつひとつがあまりにも鮮明で。雨って落ちたり垂れる場所によって全然音が違うんだな、とか。東京の生活ではそういう音を感じずに生活してしまっていることに気付かされました。今、自分が起きているか寝ているのか時折分からなくなりながら、あっという間に終了。身体が弛緩しきりました~。そのあと爆睡したのはいうまでもありません。

照明を落とした空間でリラックス
照明を落とした空間でリラックス

「くつろぎ」の設計がすごい

あらゆるところに、くつろげる心配りがされているのも素晴らしくありがたかったです。私が感動したのは、滞在着。実は旅館でよくある浴衣があんまり好きではなく。寝るときや歩いているとはだけて冷えていたり、身長が足りず丈が長かったり……。この滞在着は、心地よいセットアップ。宿についたらすぐ着替えたいタイプな自分にとって、この装いは最高でした。

チャイナ風なカラーもかわいくて気に入りました
チャイナ風なカラーもかわいくて気に入りました

また、部屋に備え付けのヒバの木の風呂(またもや窓から川が臨めます)には、ヒーリング音楽が内蔵されたスピーカーが置いてあるんです。普段、ゆっくり湯に浸かる時間がなかなか取れない私にとっては、この時間が本当に幸せでした。そういった意味では、部屋自体の設計も本当にくつろげる。ヒノキ工芸の「畳ソファ」が置いてあり、これがびっくりするほど心地がよくて。正座したときの低い目線でつくられており、眼前に緑のワイドビューが広がって美しかった……。座面が深いのと、背面のカーブがフィットして、しばらく座っているとうつらうつらしてきて、気づけば眠ってました(笑)。

モダンで落ち着いた壁色もいい。寝室の壁には京唐紙があしらわれています
モダンで落ち着いた壁色もいい。寝室の壁には京唐紙があしらわれています

寝室も広々と取られていて天井が高いので開放感がたっぷり。施設を通して、全体的に照明が暗く、リラックスできます。ひたすらまったり過ごしました。

おいしい癒やし

立地や空間だけではありません。口福も、たくさんあります。心に残っているのはチェックインしたあとのウェルカムスイーツ。前述の「Salon & Bar 蔵」にていただけます。

飲み物にはレモングラスとエルダーフラワーを炭酸水で割ったものを
飲み物にはレモングラスとエルダーフラワーを炭酸水で割ったものを

トマトやみょうが、すだちの烏羽玉は甘すぎず爽やか。締めの氷ではすっきり。それぞれ「星のや京都」の情景を思い描いて作られたそうで、四季折々の食材が活かされています。他の季節のものも食べてみたい。

同じく時季のものがふんだんに使われた夕食のコース料理も絶品です。一品ずつご紹介したいのですが、延々と終わらなさそうなので(笑)、ぜひご賞味いただきたいです。シェフの方と話せるカウンター席がおすすめです。

こちらは先付。あかうに、茄子、、自家製のコンソメジュレ、パプリカのアイス、生姜の香りのフォーム。しその花を落とすと、ふわっとさらに香りが広がります
こちらは先付。あかうに、茄子、、自家製のコンソメジュレ、パプリカのアイス、生姜の香りのフォーム。しその花を落とすと、ふわっとさらに香りが広がります

……と、滞在中、広々とした部屋の中で呆けていて、ふと気づいたのは深呼吸することの気持ちよさ。風の匂いが鼻腔をくすぐったり、ストレッチしながら全身で自分の呼吸や周囲の音を感じたり。現実世界からシャットアウトされた空間だからこそ、心からデトックスされました。息するの、気持ちいい!! 日々見過ごしがちな何かを取り戻した気がします。

そして、ここに書ききれないポイントが本当はまだまだあるんですけれども。ちょっとだけダイジェストをお届けします。朝のまだまどろむ時間に川を眺めながら抹茶を点てたりとか(はじめての野点!)、晴れていれば夏季は「水の庭」で明かりに包まれて一杯飲めたり、他のアクティビティもあります。もちろん、な~~んにもしない、という滞在も大アリ。ただ無心で時を過ごすのも贅沢。

秋から冬もきっと素晴らしい景観のもと、ゆっくり呼吸できるんだろうな、と。都会の喧騒に疲れたら、リフレッシュに、また訪れられる日を願ってやみません。

こちらがプロのお抹茶とお干菓子。泡立てるの、難しいんです

「聞香(もんこう)」というアクティビティにもトライ。炭を入れあたため、丁寧に嗅ぎます。伽羅は特別なお客様をもてなす際に焚く香りだそう

「水の庭」。翌朝はちょっと晴れたので、座布団が出されて納涼床に

蓮の花も咲いてました

おいしい!!と感動した烏羽玉はお土産で買うことも

職場や友人へのおみやげにぴったりな、おかき

抹茶といただいたオリジナルの干菓子もおすすめ

提供元: SPUR.JP

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