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マリー・アントワネットが熱中した時計

ブレゲをはじめて認識したのは、漫画『ギャラリーフェイク』を読んだとき。王妃マリー・アントワネットのために天才時計師ブレゲが作った幻の時計が登場し、その復元に挑むという物語でした。実在するこの懐中時計、その名も「マリー・アントワネット」は、世界で最も優れた、最も美しい時計をと、当時の時計技術の粋を結集。搭載された複雑機構のオンパレードは漫画の中でも圧巻で、そのため注文から完成までに、なんと44年の歳月を要したそう。完成した1827年はアントワネットの死後34年、ブレゲも世を去って4年が経っていたというから驚きます。

時計は1983年に美術館で盗難にあい、2007年に発見されるまで、まさに幻の時計でした。その運命が人々の想像力を刺激し、『ギャラリーフェイク』のエピソードも行方不明の期間ならではの物語のひとつです。

さて、学生の頃に読んだ『ギャラリーフェイク』によって機械式時計への憧れとブレゲの名がすっかり刷り込まれたわけですが、同時に頭の片隅で、これほどすごい技術を誇るブランドの時計は、ドヤッと押しの強いルックスに違いないという勝手な思い込みをしていました。ようやく自分の中で誤解が解けたのは、SPUR4月号の腕時計特集で。

写真が、今回スタイリスト清水奈緒美さんが選んだブレゲです。小ぶりなケースのクラシックなモデル。格式高い時計だけれど、ドヤ顔ではなく、とても温かみのあるオーラなんですね。精密なギヨシェ彫りが美しくて、ため息がでます。今回とくに新鮮に感じたのが、別売りのイエローのストラップとの組み合わせ。アイコニックな青いブレゲ針に、黄色のストラップが合わさると、なんとも爽やかな印象になりました。どんな服にコーディネートしようかと妄想も膨らみます。

いつかはブレゲ。憧れは深くなるばかり。でも今はこの原稿を書くために引っ張り出した『ギャラリーフェイク』を読む手が止まりません。

提供元: SPUR.JP

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