わかりやすい包丁の種類

包丁の種類

前回のブログでは包丁の選び方について、日本の包丁の歴史や、和包丁と洋包丁の違い、素材の比較などを書きましたが、今回は「包丁の種類」について書いていきたいと思います。

現在では特殊な包丁を除いて、和洋包丁それぞれに鋼やステンレス素材のモノが出ていますので、ここでは「包丁の種類」に特化して記載していきます。

包丁の種類

よく一般家庭向けに販売されている包丁に「三徳包丁」がありますが、いったい三徳包丁はどんな包丁の種類になるのでしょうか。

目次

1. 包丁の歴史
2. 日本の食文化は野菜と魚
3. 和包丁と洋包丁の違いは?
4. 包丁の素材
5. 体表的な包丁の種類
6. なぜ三徳包丁/文化包丁は万能包丁なのか?
7. プラス1本としておすすめしたい包丁の種類
8. 包丁の選び方のポイントは「切るモノ」
9. 「研ぐ」とは?

包丁の歴史

日本刀を知っているみなさんであれば、日本の包丁は日本刀に関係があるのでは?とお察しがつくはず。そう、日本の包丁、“和包丁”の製造には日本刀の技術が活かされています。実は日本の包丁の切れ味は 「日本刀のような切れ味」と表現されることがあるほどです。

なぜ日本の包丁がそこまで切れるようになったのか?

それは、日本人はその骨格から重い剣を振り回すには向かず、日本刀は剣の切れ味に重きを置かれたようです。

そう言えば中世ヨーロッパの映画などでは重そうな剣をガシャンガシャンと振り回していますが、時代劇ではスパッと切っていますよね。西洋剣は突き刺すように作られた剣もあり、体躯に恵まれた西洋人用の剣と言えるでしょう。

明治の廃刀令を受けて、それまで刀を作っていた職人は刃物類の製造へとシフトしていき、それが「切れ味」が特徴の和包丁へと繋がっていきます。

日本の食文化は野菜と魚

昔の日本の食文化を考えてみましょう。肉も食べていましたが、和食と言えば、やはり四季折々の野菜と魚。そう、日本の包丁は野菜と魚を切る包丁が主流でしたし、海に囲まれた島国日本の和包丁は魚を調理するためのものばかりです。洋食文化の広がりと共に肉を切るための「牛刀」などが普及していきました。

日本の食文化
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和包丁と洋包丁の違いは?

和包丁=日本食は何となく分かるけど、じゃあ洋包丁って何をさすの?言葉は聞いているけどその特徴については知らないと言う方はまずこの2つの包丁の種類から知っていきましょう。

和包丁の特徴

最近ではステンレス製もありますが、基本的に和包丁は鋼と軟鉄を組み合わせて作ります。柔らかい鉄と硬い鋼を合わせるには、2つの金属の良い所が組み合わることで、折れにくく、切れ味の良い包丁になるからです。

和包丁は両刃もありますが、基本的には片刃と言われる刃の付き方をしていて断面は「レ」のようになっているのが特徴。なんといってもその切れ味が最大の良さで、食材の断面の組織を壊さずに切れるので魚をさばいたり、飾り切りや薄切りには和包丁がおすすめです。

鋭い切れ味の分、刃は繊細なので、刃こぼれしやすかったりとお手入れにも気を使う必要があります。

代表的なのは出刃包丁と刺し身包丁。刺し身包丁は柳刃包丁とも呼ばれています。他にも薄刃包丁、菜切り包丁、他には蛸引き包丁や身卸(みおろし)包丁、うなぎ裂き包丁、ふぐ引き包丁、そばやうどんを切る麺切り包丁も和包丁の分類です。

洋包丁の特徴

洋包丁は両刃になっているのでその断面図は「V」のようになっています。西洋の包丁をまとめて洋包丁とくくっているのですが元々は「肉を切る」目的で生まれているので、肉の繊維を切るのにしっかりと力が加わる「押し切り」が主です。逆に刺し身包丁などは手前にスッと引く「引き切り」になっています。

包丁用途によって様々な種類がありますが、聞き馴染みのあるのは「牛刀」と「三徳包丁」ではないでしょうか。汎用性があるので今では万能包丁として家庭で使われています。洋包丁としてはペティナイフや筋引(すじびき)/カービングナイフ、肉切りナイフ/ブッチャーナイフ、スライサー、バターナイフ、チーズナイフなどが分類されてます。

包丁の素材は?

包丁の素材は大きく分けて「鋼」「ステンレス」「セラミック」に分かれています。ステンレスやセラミックは主に洋包丁、鋼は和包丁で使われていることが多いですが、もちろんセラミック製の和包丁や鋼の洋包丁もあります。用途から包丁の種類を選び、素材の特徴から自分に合った包丁を選ぶのがいいでしょう。

体表的な包丁の種類

薄刃包丁/菜切り包丁

先が尖っていない、長方形の形をした菜切り包丁は刃が真っ直ぐなのでそのまま垂直に野菜を切るのに適しています。昔の一般家庭でよく使われていたのが、この菜切り包丁です。最近は三徳包丁が主流になってしまって使われることが減ってきていますが、やはり野菜を切るには菜切り包丁がおすすめです。

薄刃包丁が片刃で菜切り包丁が両刃という差が一般的で、片刃の方が食い込みがよいので桂向きや削ぐなどしやすくプロの料理人などが使っています。

出刃包丁

最近はスーパー三枚に下ろしてもらえたりするのが当たり前のサービスになっていますが、昔は家でさばくのは当たり前。そこで魚の骨を切るために刃に厚みのある出刃包丁の登場です。先が尖っているので魚に切り込みも入れやすく三枚に下ろしやすいです。

最近ではステンレス製も出ているのであまり魚を処理しない方はステンレスを選ぶのも良いと思います。

牛刀

出刃の重さや先の尖っていない菜切り包丁では肉の筋やなど上手に切ることができません、そこで牛刀の登場です。牛刀の先の尖った部分は筋切りをするのに適しています。また刃渡りが三徳包丁に比べて長いので、塊の肉を切る際などに便利になっています。三徳包丁に比べると牛刀の方が厚みも少しあります。

三徳包丁

野菜、肉、魚の文化になった日本の食卓。そこで家庭用に「万能包丁」として登場したのが、その3つの食材を切れる「三徳(さんとく)包丁」。牛刀も万能と言われますが、どこが違うかと言うと、三徳包丁の方が刃が短めで、刃の部分の反りが牛刀ほどないので野菜の刻みなどしやすいのが特徴です。

「文化包丁」も万能包丁として存在ますが、厳密には文化包丁の方が牛刀に少し近い形をしています。つまり、三徳よりも刃に角度がついているので、みじん切などは三徳包丁の方が切りやすいでしょう。

菜切り包丁の良いところを受け、牛刀の先の部分を取り入れ、さほど家庭用の万能包丁として愛用されているのが三徳包丁です。鯵程度の小さな魚や、中骨を切らないのであれば魚も大丈夫ですが、そこそこの魚の中骨を切るにはやはり出刃があることをおすすめします。

なぜ三徳包丁/文化包丁は万能包丁なのか?

一番最初に家庭用として最も普及している三徳包丁について説明するのがよいのですが、三徳包丁が出てきた背景には時代や食文化、そして他の包丁の存在がありますので、流れにそって紹介していきます。

三徳包丁

プラス1本としておすすめしたい包丁の種類

ここからはあると便利なおすすめしたい包丁の種類をおすすめ順にご紹介します。ぜひ参考にしてください。

セラミックナイフ

素材でおすすめしますが、セラミックナイフのその最大のメリットは軽量でお手入れいらずというところです。肉や魚を切っても金属の匂いがつかないので、気になる方はセラミック包丁はオススメです。ただ、硬い物は苦手(折れる)なのでデイリーに楽に使うセカンド包丁としてオススメします。

ペティナイフ

代表的なおすすめ包丁はこの「ペティナイフ」。ペティナイフが1本あると例えばさっと食材の皮をむいたり、特に玉ねぎの皮をむくときは便利です。小ぶりのナイフと言えば「果物ナイフ」もありますが、特に大きな定義や差があるわけではありませんが、果物ナイフの方が刃が厚くなっているものが多いです。色々なブランドから出ていますので、自分の手に馴染みが良いものを選んでください。

パン切り包丁

ホームベーカリーなどをお持ちの方はぜひ、パン切り包丁をおすすめします。波型になっている刃で切り口がザラザラするのは意味があるんです。空気を含むので焼いたときの食感がよくなるという特徴があります。またパンによっては普通の包丁で切る際にパンを潰してしまうので、フランスパンなどを切るのにもここは1本持っておきたい包丁です。

バターナイフ

さて、パンと言えばバター。バターにも「ナイフ」がついているので紹介します。熱伝導で溶かして切りやすくするものや、チーズスライサーのようなもの、サンドイッチ用にナイフ機能を兼ね備えているものなど、様々なメーカーから様々なバターナイフが出ていますので、ぜひ自分にあった1本を探してみてください。

刺身包丁(柳刃包丁/蛸引き)

お刺身を切るときなどは片刃の刺し身包丁の切れ味が最適です。切れ味バツグンの刺し身包丁でスーッと引くお刺身は断面もキレイです。まな板の大きさやスペースを考えると家庭用には短めの刺身包丁を選ぶのが◎。

今回はすべて同じにくくっていますが、厳密には柳刃包丁は先が尖り、蛸引は先端が四角くなっています。

包丁の選び方のポイントは「切るモノ」

包丁の種類は大きく分けて「和包丁」と「洋包丁」に分かれます。そしてそこから「素材」に枝分かれするのですが、もう1つ「用途」これが大きく関わってきます。つまり「何を切るのか!?」ここが重要なポイントです。何をどのくらいの頻度で切るのかによって、購入すべき包丁が変わってきます。

包丁で切るもの

レタスを切る包丁も!

驚いた方もいらっしゃるかと思いますが、GLADDではレタスに適した包丁もあるんです。レタスの切り口が茶色く変色するのを抑える構造が特徴的な、主にレタスを切るためのナイフなども販売しています。レタスの細胞を切るのではなく、細胞の切れ目で割る様に切るため、切り口の酸化を抑え、変色を抑える設計になっています。

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他にも果物の皮むきやヘタ取りなどが楽にできる鳥のくちばしに似た「くちばしナイフ」など、見た目も使い勝手も嬉しいキッチン雑貨が並びます。GLADDなら24時間365日いつでもオフプライスで購入が可能です。

「研ぐ」とは?

包丁を使っていると切れなくなってきたと感じることありませんか?トマトなどを切っていると顕著の切れ味の良し悪しを感じると思います。よく切れると「危ない」と思うかもしれませんが、包丁に関しては切れ味は大事で、切れない包丁の方が引っかかって刃が当たってしましてうなどして危ないです。食材も切りやすくなるので料理の時短にも一役買ってくれます。

レンガサイズの砥石で研いでいるのみたことありませんか?もし鋼の包丁をお持ちであれば、マイ包丁のお手入れはできるように練習するといいですが、ステンレスの場合は研ぐのが難しかったりもするので、家庭用のステンレス包丁はシャープナーを使いつつ、切れ味が悪くなったらメーカーの研ぎサービスに出すのがオススメです。

シャープナーだけじゃダメなの?という疑問もあると思いますが、シャープナーは刃先を擦っているだけなので実は「研ぐ」とはちょっと違うんですね。切れ味による味、色、香り、そして栄養価の違いなども出てくるそうなので、包丁に応じて定期的にメンテナンスを心がけましよう。

詳しくは一般社団法人日本包丁研ぎ協会(JaHTA)のサイトをご覧ください。

いかがでしたか?

他にも寿司切包丁、麺切包丁、鰻裂き包丁に関しては地方によって形が違ったり、どじょう裂き、ハモしめなどなど、日本ならではの包丁はたくさん存在します。
和包丁、洋包丁に続いて、中華包丁も存在します。用途、素材、片刃、両刃、長さ、とにかく奥が深い包丁の種類。

専門性を求めるなら専門店がおすすめですが、素材や用途をおさえていればネットでも十分に購入ができます。GLADDではブランドの包丁やナイフをスペシャルプライスで販売しています。欲しい包丁を決めて、イベントをチェックしてみてください。

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